2015年10月の正式ローンチと同時にスタートした僕のZwift生活も10年を超えました。この間に1,389件(2025.09.03時点)のワークアウトをこなしてきたようです。

これまで、Zwiftのハード環境についてこのブログで紹介をし、ポッドキャストで語り、今はなきCyclist by サンスポさんにインタビュー記事を掲載していただいたりと、快適にトレーニングをこなすための裏技をシェアしてきました。残念ながらCyclistは消滅しデータも残っていないのと、自分のブログ記事も2020年に書いたきりで5年が経過しました。

最近 sxsradioでZwift入門的なエピソードが公開されたことに乗っかり、自分のハード環境について改めてシェアしようと思います。

なお簡単に自分のスペックと環境を述べておくと
・39歳 男性、自転車競技歴27年、CX歴12年、Zwift歴10年
・CXはE1、1.5h〜3hほどのワークアウトを週5くらいでこなしている
・コーチが作ってくれたメニューがTrainingPeaksを介してZwiftに飛んでくる
・全てERGモードで行っていて、フリーライドをすることはほぼない


<必需品>(ないとできないもの)

自転車本体:乗り換えた旧バイク(All-City Cycles – Mr.Pink)
使うたびにバイクを脱着させないのは手っ取り早い「やる気のマージナルゲイン」に該当すると思うので、専用品にしています。手持ちのバイクは全てRetul Fitで作ったポジションに合わせてあり、Zwift用も同じ設定にしています。細かい取り付け部品については快適アイテムの欄で紹介します。なおERGモードなので変速機はほぼ使っておらず、唯一はFTP計測をするときくらいです。ギアはフロントインナーで、リアはチェーンラインが合う位置に入れっぱなしになっています。

スマートローラー:Tacx – Neo
2018年にCRCで買いました。一時期異音や発熱が気になりましたが、一度分解して掃除してから何も起きていません。フルもがきするような練習は実走で行うので、せいぜい500wくらいまでしか出力していません。ケイデンスは出るしパワーのキャリブレーションもない、そして壊れないってことで満足しています。

Zwift用端末:Apple – iPad(第11世代)・11インチモデル
元々MacbookAirで運用→2019年1月からiPad(第6世代)で運用→2025年6月から第11世代へ。これもZwift専用として運用しています。第6世代で満足していましたが、Watopiaで走り出そうとするとクラッシュする症状が続いたので買い替えました。ワークアウトを終えた保存時にクラッシュしないよう、開始時にわざと重い負荷をかけてクラッシュしないか確認させてるんじゃないかなと予測しています。第11世代にしてこの症状は改善したのと、グラフィックも美しくなりましたがすぐ見慣れてしまいました。


<基本セット>(あるととても快適、続けるモチベーションになるもの)

扇風機ユアサプライムス – プラスタンド式工場扇 YS-455T
ホームセンターに売っている工場扇です。友人から譲り受けました。ACモーター仕様で、風力をMaxにすると寒いです。そしてうるさいです。後述しますが、ノイズキャンセリングイヤホンがないと鬱陶しいです。手元で操作できるスイッチ(これも後述)をつけているのと、見た目のオレンジが目障りなので羽を黒く塗りました。その他、大きいモニターを導入した際に画面に被ったので、足を20センチほどカットして低い位置で自立させています。秋〜春はこれひとつで快適に過ごせます。

テレビモニターIODATA – 43インチモニター 4K 60Hz ADSパネル
ワークアウト時は何かしらの動画を眺めています。以前はMacbookAirを使っていましたが2020年にモニター導入を決意、部屋の間取りを考慮して導入できる一番大きいサイズを選びました。本体との距離にもよりますが、デカくて困ることはないと思います。FITUEYESというメーカーのテレビスタンドで据え置きしています。

メディアプレーヤーAmazon – Fire TV Stick 4K
ほかのストリーミングプレーヤーを使ったことがないので比較はわかりません。自分が契約したサブスクストリーミングサービスはほとんどが専用アプリを用意していたので、ストレスなく見たい映像にアクセスできます。春はクラシックレース、夏はマウンテンバイクWCとグランツール、国内選手権、秋から冬はCXとNFLを見ていて、間にアニメや海外ドラマを挟んで視聴していることが多いです。

ノイズキャンセリングイヤホンAnker – Soundcore Liberty 4
長時間のワークアウトをこなしていると、ローラーや扇風機からのノイズは結構な負担で、ノイズキャンセリング機能は自分的に必須です。キャンセリングの性能は、AirPodsPro2やSONY WH-1000XM5にはやや劣るものの、充分だと思います。音質については、心拍が上がれば上がるほどどうてもよくなっていくので、あまり気にしていません。この製品で満足していますが、連続使用は2.5時間くらいが限界のようで、3時間以上乗るときは昔使っていた予備のイヤホンを用意しています

心拍計POLAR – Verity Sense
心拍計の要・不要はZwiftというよりトレーニングの仕方によると思います。高強度のインターバルでこまめにチェックしても仕方ない気がしますが、ゾーン2あたりのエンデュランス走では逐一モニタリングしています。計測方式については、sxsradioの心拍計測技術会 を聴いてみてください。腕時計式は「測定できなかった空白を埋めるアルゴリズム」が強すぎて正確性に乏しいなと思います。一方胸ストラップ式は上裸でつけるとズレる・またはズレないよう締めると呼吸が苦しいので、腕につける光学式に落ち着いています。

補給・補水大塚製薬 – ポカリスエットパウダー 10L用 (740g)×5個セット
ワークアウト時の補給・補水はこのポカリのパウダーを使っています。グラムあたりの単価が安いのと、今のところ必要としているものはこれで補えていると感じています。以前日本にやってきたゴセ選手が、僕があまりに補給しないのでビックリしていたってところから取り組み出しました。MVDPは1時間で100g以上の糖質を摂取するなんて話も有名ですが、750mlに45gほどの粉を溶かして1.5時間で飲み切る感じが多いです。3時間だと2本用意しています。遠征時にもパッキングして持って行けるので便利です。

信頼できるメニュー、信頼できるコーチ
自分にとってはこれが全項目の中で最も重要なポイントです。運動能力を高めたり維持するためにトレーニングを続けていて、仮に目標や目的が明確でも、目の前のメニューが厳しいとつい自分に言い訳してしまうものです。汎用的なメニューやAIが作ったもの、または自分自身が悩んで作ったメニューってのは、苦しい場面で「今日はやめていいか」と論破しやすい傾向があります。一方でコーチングサービスで提供される特製のメニューや、全幅の信頼をおくコーチが作った内容であれば、「よしやってやろうじゃないか」という気持ちが奮い立つものです。
この上なくありがたいことに、僕は 沢田時 選手 にコーチングしてもらっています。彼は現役トッププロ選手であり、僕に提案してくれるメニューも全て本人がこなしたことあるものです。FTPをベースに計算してあるので、誰がこなしてもそのキツさは同じだし、それでもできる!と信じて作ってくれたメニューは、毎日のモチベーションになっています。
特殊なケースなので再現性があるかわかりませんが、事実を残しておこうと思った次第です。


<快適アイテム>(あるとより快適に過ごせる)

シャモアクリームイナーメ – Chamois GEL
股ズレ防止のクリームです。股ズレは、サドルの形状・パッドの形状・パッドの使用期間・肌の状態など、いろんな要素があるので一概に商品の効能を述べるのは難しいです。もとより肌とパッドの洗浄が大事です。
その上で、イナーメのクリームは安い(2個セット3,600円/2025年6月時点)、クリームが伸びるので少ない量で済むのが気に入ってます。ワセリンよりややネトっとしています。週5で使って、自分は3ヶ月くらい保ちます。1時間以上乗るなら用意した方がいいと思います。

ヘアバンドAWASEYY – ヘアバンド 幅11cm 3色セット
2025年8月時点でも、検索すると3つセットで999円と謎に安いヘアバンドです。とにかく安くてそれなりに汗を吸ってくれて、付け心地も悪くないです。ジャンジャン使って汗臭くなってきたら交換するのが衛生的にも良いと思います。今回おすすめしているアイテムの中でも、コストパフォーマンスが一番高いと思います。

風量調節 / ON-OFFスイッチ太洋電機産業 – パワーコントローラー PC-41
sxsradio本編でもトピックにあがっていましたが、自分が使っている工場扇にはリモコンがなく、本体で風量やオンオフを調整するしかありません。毎度降りて調整もしてられないので、このコントローラーを使っています。電子回路が入っているDCモーター搭載の扇風機には使えませんのでご注意を。

CO2センサーキングジム – 卓上CO2モニター CD10
狭い部屋でローラーをしていると、徐々に息苦しくなることがあります。それが疲労からくるものなのか、空気が悪くなっているからなのか、のちのちこのモニターで数値を確認しながら走ってみて状況が理解できました。二酸化炭素濃度って割と簡単に上がるし、ワークアウトの強度によってもかなり変わります。1500ppmを超えないように注意して練習しています。今だとSwitchBotのCO2モニターも選択肢として良いと思います。

スポットクーラーハイセンス – スポットエアコン HPAC-22F
部屋の環境によりますが、わが家は全館空調でひと部屋だけを冷やすことができません。例年夏は苦労していたので、思い切って導入しました。Youtube等で何メーカーかを比較してこれにした記憶があります。窓に排気ダクトを設置する、騒音がすごい、重い、使用電力がデカイ、一定方向にしか冷風が出ない、など日常使いだと問題点も多いですが、Zwiftで使うだけなら良いと思います。
暑熱順化も大事だと思いますが、真夏に日焼けしてさらに熱中症気味になってしまうと回復どころか不調が続くこともあります。僕は暑い中で練習するのを避けたことでHRVがそれなりに上がったと思っていて、レースが冬だけなら割り切ってしまうのもひとつと考えています。

iPadマウントミノウラ – タブレットグリップ TPH-1 + スインググリップ SWG-400
Zwift用端末にしているiPadのマウントです。ミノウラの製品を使っていて、タブレットグリップだけだと設置の自由度が低いので、スインググリップを使って位置調整が細かくできるようにしています。性格の問題ですが、画面がステムなどと同じ中心線上に来ていないと気になって仕方ないのです。ハンドルから伸ばすこともできますがダンシングした際に揺れてしまうので、テーブルの足に固定しています。

iPhoneマウントYOSH – Magsafe 車載ホルダー JPCH136 + レックマウント – 汎用アダプター GM-3M3
Zwift時、iPhoneはコンパニオンアプリを立ち上げて、モニター代わりに使っています。正直ワークアウト中の操作ってさほどないので、なくても困りはしませんが、キツいメニューで気を紛らわせるために目を落とせるデータ項目がたくさんあるのはいいものです。もともとはMagsafeを使った車載ホルダーですが、これにレックマウントのガーミン用アダプターを接着して使っています。当然ハンドル側にはガーミンマウントがぶら下がっています。Magsafeはとにかく固定力が高いのでダンシングしても飛んでいくことがなくなりました。

テーブル山善 – 折りたたみ サイドテーブル 幅50×奥行48×高さ70cm RYST5040H
ローラー台にちょうど良い高さって70〜80cmくらいだと思いますが、これは着座・起立どちらにも中途半端な高さなので選べる商品も多いわけではありません。このテーブルはネットですぐ買えて折りたためる、そして安い。割と言うことなしだと思います。ボトルや心拍計置いたりするほか、ペダリングで膝が外に出てしまう癖があったとき、このテーブルを足に近づけて矯正しました。


<快適アイテムその2>(個人的に気に入ってるもの、更なるやる気のマージナルゲイン)

シューズSHIMANO – SH-RC903 S-PHYRE
ベルクロシューズのテープ部がダメになり、マジックテープを貼り替えた末に再度壊れて買い替えました。さっと履けて締め付け調整の簡単なBOAは最高です。レースでXC9を使っているので、慣れるために硬いソールにしたかったのも選んだ理由のひとつです。インソールはRetulで作ってもらったものを入れています。ほぼローラー専用にしています。

靴下Actcyc(アクトサイク) – ロードバイク専用ソックス ACTRACER
ポッドキャスト繋がりでひとつ商品をいただいて、かなり気に入って買い足しました。一般医療機器として着圧ストッキングを製造されている会社さんの製品で、通常のサイクリング用ソックスと比べると複数の編み方を組み合わせた立体設計になっています。シューズのBOAを締めた際、一部分だけにやたら圧がかかることがなくなりました。その割に着脱しやすい(というか履く際にスルッと足に入る感じが気持ちいい)のと、左右共通のユニバーサルデザインなのも良いです。

3DプリンターサドルSpecialized – S-WORKS POWER WITH MIRROR SADDLE
話題の3Dプリンター製作したサドルです。もともとパワーサドルを気に入って使っていて、ロードやCX車全数で同じモデルを使用していました。3Dプリンター製モデルが登場して迷わず購入しました。通常モデルより沈み込みが深いので、サドルの高さは少し上げています。使い始めてしばらくは正直違いがわかりませんでしたが、半年以上使ってみて明らかにお尻の痛み等が減ったので効果があったんだと思います。固定ローラー用の自転車部品は投資効果を感じられるものが少ないので、コストのかけがいがあるってもんです。

下ハン用グリップSupacaz – Supalite Grip – Black
ドロップハンドルですが、基本的にバーテープは巻いていません。主にブラケット部分しか握らないし、汗が溜まってハンドルバーが折れることがあるらしいです。下ハンドルは握るので、Amazonで常に投げ売りしているESI風シリコングリップをつけています。ダメになればこれも即交換すればいいかと思っていましたが、案外長持ちしています。

充電コード全般
心拍計、イヤホン、心部体温計など、ウェアラブル端末が存在する分だけ、充電切れに陥る頻度も上がります。特にZwift端末やイヤホンの充電切れはワークアウトする上で致命傷なので、いつでも充電できる環境が大事です。おそらくZwiftを熱心にやっているガジェット好きの方なら、Micro USB-B、USB-Cや専用充電コードなどが大量にストックされていると思います。使う頻度が高いものを、なるべく長さが同じコードをまとめておくと便利です。あとUSB差し込み口がいくつかついている電源タップを用意すると、見た目もキレイです(エレコム – USBタップ 3.4A (USBポート×4 コンセント×2) ECT-0415WH

カゴライクイット – 洗濯カゴ SCB-9
これもやる気のマージナルゲインのようなもので、ローラーで使うビブショーツ・靴下・タオル類はまとめて放り込んでおくと便利ですよって程度の話です。僕は2つ買って、ビブショーツ用とそれ以外に分けています。ビブショーツ自体は誰かに見られるわけでもないので、過去のチームのキットを順番に使っています。ここ一番!のメニューをこなすときは、お気に入りのビブ(個人的に、 INEIVE – Root Bib Shorts が最近のベスト)をタンスから出してきて使っていたりもします。

電子ドラムRoland – TD-17
Zwiftと電子ドラム、個人的にいい組み合わせだと思っています。社会人アスリートが毎日トレーニングをするとして、仕事終わりでZwiftのために気持ちを切り替えるのって実はハードルが高いです。プロテインを飲むとかシャワー浴びるとか、それぞれに儀式のようなものがあると思いますが、僕はドラムを叩いて切り替えてます。15分くらいドコドコ激しい音楽を聴いて身体を動かすと、頭はすっきりするし、寒い日に身体も温まります。毎日やっていると、ついでにドラムも上手くなるもんです。案外同じことを考えているのか、SNSを覗くとローラー部屋にドラムを置いている方って少なくないようです。

ケアスペース
マット、IKEAで買った大きめの姿見、ケアグッズを置いただけですが、ローラー台が置いてある部屋にストレッチスペースを設けました。これがいいもので、Zwiftにおける「やる気のマージナルゲイン」と同じで、トレーニング前や就寝前のストレッチが習慣化しました。固定ローラーは実走と比べて足を止める時間がないので、同じ時間でも負荷がかなり大きいです。練習と比例したケア時間を設けましょう。


そのほか、心部体温計のCOREをオススメにあげようかと思いましたが、やめました。最近Zwiftと直接接続できるようになって便利になりましたが、ワークアウトモードではまだ使えないようで、結局利用できていません。これは今後に期待です。

今回紹介したのは、あくまで僕がこの10年であれこれ試して落ち着いた環境です。もちろん人によって合う・合わないはありますが、どれも実際に使って「これは良かった」と思えるものです。結局のところ練習を続けるには脚だけじゃなくて、やる気を支えてくれる環境づくりが大事だと思います。少しでも参考になればうれしいです。

続けるためのZwift環境メモ

kossy


自転車歴20年の社会人アスリート。BMXパーク競技を経て泥の中をレースするシクロクロスへ参戦、ボーダーレスな自転車競技活動を続けている。Wilde Bikes唯一のサポートライダーとして国内トップカテゴリーを走る一方、本職では自動車整備業に従事。乗り物のほかコーヒー、銭湯、カメラにアウトドアなど、趣味は常に多彩でオーバーフロー気味。 Instagram / Twitter / Facebook


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