
先日、2025-26シーズンの抱負を書きましたが、今年の使用機材を紹介したいと思います。
昨シーズン途中から1台バイクが増えて、まだちゃんと紹介できていませんでした。
以前からお世話になっていたAll-City Cyclesは2024年にブランド自体が終了し、合わせてQBPとモトクロスインターナショナルさんとの契約も終了させてもらいました。そのタイミングでWilde Bikesのジェフからお誘いがあり、彼らのバイクでレースを走ることとなりました。

Wilde Bikes はアメリカはミネソタ州ミネアポリスをベースとしたバイクブランドです。「A Love Letter to Cycling….」というキャッチコピーから始まる彼らのストーリーは、限界も制約もない中で、最高のバイクを生み出し、自転車業界をより明るくするという指針を紹介しています。
彼らのバイクラインナップには「量産モデル」と「カスタムモデル」の両方があり、業界ではとても珍しいスタイルを採っています。例えばグラベルモデルの「ランブラーSL」は台湾のMaxway工場で製造されていて、比較的安価に購入できます。一方「アースシップ」はアメリカ製のグラベルレーサーで、彼らと手を組むビルダーによって1台ずつ溶接されています。ジオメトリや仕様、カラーをカスタムすることもできます。

そう、僕のシクロクロスもこの方式と同じく、台湾製の量産モデルとアメリカ製のカスタムモデルの2台体制になっています。

「MeanJean(ミーンジーン)」は、台湾製の量産モデルで、アグレッシブなシクロクロスレースモデルです。設計をしているジェフは、グラベルモデル≠シクロクロスモデルだと考えていて、これらが一緒くたになっていた当時のシーンにはかなり反対していました。本人はグラベルも楽しんでいますが、シクロクロスでは後半にペースを上げるオールドスクールスタイルなレーサーであり、実際とても速いです。手頃なスチールCXレーサーが少ない今、レースを速く走ることにフォーカスしたモデルはありがたい限りです。

僕は身長が170cmでSサイズに乗っています。プロトタイプという名目でしたが市販品と同じスペックだと思います。(色は特別仕様です)以前のAll-City NatureCross(Natureboy)の49cmと比較すると、ややアップライトで直進性能と荒れた路面に強い安定性があるモデルになっています。細かい点でいうとスタック高とヘッドチューブが長く、上体が起こしやすい、そしてオフセットが小さく、直進・下り・荒れ地での安定性が担保されると思います。




近年ワールドカップなどの影響か、細かいターンよりも長い直線が好まれる傾向にあり、それはアメリカも同じ状況なのかもしれません。少なくとも日本では、コース幅が狭くて何度も何度も切り返しをさせられるコースは人気が下がっているので、シーンに合わせた進化だと感じます。

もう一台、「FullWolf(フルウルフ)」はアメリカ製であり、Webサイトに記載があるジオメトリから自分の好みにカスタムしてもらっています。もう「アメリカ製ハンドメイド」と聞くだけで、S&MやDirtBrosが連想されて思わずテンションが上がるんですが、もちろん製品としての完成度も高いと思います。

このモデルの特徴はひとつに重量です。写真の状態で8.2kg台で、特別軽量パーツを使っていなくてコレなので金属フレームとしては相当軽い分類です。ジオメトリ的にはMeanJeanの逆で、かなりタイトコーナー向けにハンドリング重視にしてもらっています。関西シクロクロスでも昔から採用されているコース取り回しだと楽に走れます(マイアミ、信太山が特に。堺浜なんかはMeanJean向きだなと思います)

カラーもオーダーさせてもらいましたが、何が元ネタかわかりますか?これは僕が25年前に乗っていたBontragerのマウンテンバイクと同じものです。四半世紀経って、まさか同じ色のマシンでレースを戦っているとは夢にも思いませんでした。


当然両方ともシングルスピード仕様で、FullWolfに至ってはディレイラーハンガーもシフトワイヤーのマウントも存在していません。(これについてはオーダー時に質問すらされなかったような・・・)それぞれエンドの形状が違って、MeanJeanはネジでチェーンテンショナーでエンド位置が調整でき、FullWolfは芸術作品のような形状をしています。


ホイール、ハンドル、ステム、ポスト、シートは両マシンで揃えています。クランクは手持ちのPMを使っているのと、ブレーキはGRXと105で、共にDi2のスイッチを削り落としています。かっこいい!ギアはフロント40t、リアは18t / 19t / 20tのどれかをレースによって使い分けています。この3パターンならチェーン長はそのままにスライダーエンドの幅で調整が可能です。
大事なレースマシンですが、各地の会場へ持っていくので、ぜひ見て触ってください。各部の仕上げも美しいし、背負いやすいようにつぶしたチューブや、カラーなどなど、近くで見ると良さが際立つと思います。
本国公式サイト:
https://www.wildebikes.com/
日本代理店、サークルズのサイト:
https://circles-jp.com
