シクロクロスの何が楽しいと言えば「遠征」もそのひとつだと思ってマス。初めて訪れる場所、初めて会うライダー、初めてのコース。もっとも今回の目的地が九州で、いつも違ってフェリーでの移動ともならば、もはや「遠足」の感覚に近い。

クーラーボックスに冷えたビールとツマミを詰め込んで、自宅から20分の港を出れば、修学旅行の学生気分なのです。関西〜門司港間は3つほど航路があって、今回はレースの試走に間に合うよう大阪南港を17時に出発する名門大洋フェリーを利用しました。12時間半の旅。

27000馬力を出力するディーゼルエンジンは伊達ではなく、カプセルホテルのような個室の床から振動をビシビシ感じながら就寝。あっと言う間に九州の地へ辿り着くのでした。

この時期だと早朝はまだ真っ暗な港を後にし、開催地の福岡県は芦屋町と呼ばれるエリアへ向かいます。北九州市と福岡市の間くらいに位置していて、門司港から1時間弱。レースのスケジュールを考えれば、その日の17時にまたフェリーに乗り込み、明日の朝に5時過ぎに大阪へ戻ることも可能ではある、やらんけど。

さて会場はと言えば、日本海に面する海浜公園で行われます。見た感じは家族連れが楽しめそうな広めの緑地公園ながら、頭上ではトビが獲物探しの為か飛び回っていたり。そして並木の向こう側は一面の砂、それも非常に細やかで美しい空間が広がっています。

コースには当然のように砂エリアがあり、昨年よりは随分減ったというものの、力がかかるコーナーは掘れるとどんどんサラ砂が浮いてくるのです。

地方とは言え、熱心にシクロクロスを楽しむメンバーも多く、すでに他エリアで顔見知りのメンバーが僕らを暖かく迎えてくれます。この 九州シクロクロス 自体も、福岡で長らくシーンを牽引するショップ「正屋」さんと旧MOZU COFFEE:coffee countyのメンバーで運営しておられ、ウェブサイトも見やすいし、運営のサイズ感などとても好印象なイベントとなっています。まだAJOCC加盟のレースではないものの、これからシーンを盛り上げていく存在になることは間違いないと思います。

カテゴリーは独自のルールを設けられていますが、AJOCCでC1-C2だった場合は無条件でC1出走が認められています。出走数が9名と少人数だったこともあり、なんとなく譲り合ってグリッドへ並びます。とは言えJCXでも活躍されている選手や、MTBで世界戦選抜の選手がいたりメンツ的にはかなりハイレベルが予想されます。

コースは、スタート/フィニッシュに30秒ほどの大きめの登りがあり、それ以外はほぼ平坦。芝と踏みならされた土、そして掘れると出てくる砂で構成されています。コースは全体的に幅が広く、コーナーも人によってライン取りが随分違っていて面白い。流石にC1ともなれば集団が流れるように進むわけですが、それもバニーホップでエスケープできる箇所があったり、バラエティに富んでいます。

さて僕のスタートは、完全にミスしてクリートが入らないまま暫く走行。結構後ろの方に番手を下げてしまいます。正直表彰台は狙っていたので、先頭を逃さないように1周目でガンガン上げて前へ、先頭は逃してしまうものの1周目で集団の一番前まではたどり着きます。渦巻き型の連続コーナーも、タイヤの限界を読みながら先を急ぎます。

が、ここ最近は前半のイメージほど中盤〜後半まで体力が持たずパワー・タイム・心拍ともにタレていくパターンが多い。徐々に順位を下げ、2位争いのグループから脱落してしまい、単独5位。コースの位置によっては絶妙に前との距離が確認できるのですが、徐々に離されているのも分かり、とにかく自分を奮い立たせて走るのみ。

関西にいても、遠征して九州にいても、60分は変わらないしツライものはツライ。それでもコースは走りごたえがあり、ローカルから遠く離れた場所でも名前で応援してくださる方がいて、最後までしっかり追い込んでフィニッシュ。パンクで1人脱落されて、4位でレースを終えました。

同じレースを終えれば既に仲良し、またここ九州シクロクロスへ戻ってくる理由を見つけました。彼女もC3と混走で、いい感じで追い込んで走れた様子。おじさんたちと抜きつ抜かれつを楽しんで、女性では2位でした。

フォトグラファーの 丹野 篤史 (Atsushi Tanno) さんが撮ってくださった写真が、次の日には公式FBページへどんどん上がり、帰りのフェリーではレースの出来事を話しながらまた航路を楽しむのでした。

大会名: 九州シクロクロス #3 芦屋ステージ
開催日: 2019年1月13日
開催場所:福岡県遠賀郡芦屋町
気温:   11℃
リザルト: C1 4位 / 44%
路面状況: ドライ
使用機材:All-City Cycles “Natureboy853”( http://allcitycycles.com )
ギア比: 38 x 19 = 2.0
ウェア: WAVEONE “クロススーツ”

<九州シクロクロス 芦屋ステージ>

kossy


自転車歴20年の社会人アスリート。BMXパーク競技を経て泥の中をレースするシクロクロスへ参戦、ボーダーレスな自転車競技活動を続けている。All-City Cyclesの本国契約ライダーとして国内トップカテゴリーを走る一方、本職では自動車整備業に従事。乗り物のほかコーヒー、銭湯、カメラにアウトドアなど、趣味は常に多彩でオーバーフロー気味。 Instagram / Twitter / Facebook


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