サードウェイブは何処へ?日本で<浅煎り>が受け入れられない本当の理由。

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<サードウェイブ>という一連の流れから、本当に美味しいコーヒーがとても身近になってきた昨今。産地や風味、焙煎度合いまで、僕らユーザーの選択肢も広がっています。

反面、書籍やウェブなどから情報が莫大に増えていて、流行の酸味や海外のロースター情報などはエンドユーザーの方が良く知っている、なんてケースも多いと思うのです。

実際「近所のロースターで浅煎りの豆を頼んだら、しかめっ面を食らった」なんて話が友人からもあって、老舗頑固ジジイがカルチャーを受け入れないのだ、と嘯くのが定番となっています。

浅煎りであらば豆本来の美しい酸味が楽しめるのではないか!浅煎りとは僕ら世代の新常識として受け入れられるべきである!そんな声が当たり前に聞こえてきます。

しかし、これほどまでサードウェイブが界隈に浸透してもなお、<本気の浅煎り>を気軽に手に入れるのは至難の技だと思います。それは何故なのでしょう?自分なりに紐解いてみたいと思います。

 

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【浅煎りで焙煎したコーヒー豆の賞味期限とは?】
大前提として、コーヒーという果実を焙煎する / しなければいけないのは、加熱処理することにより成分が化学変化した結果あの味を得られる、というところに起因しています。生豆の状態だと渋すぎてとてもではなく、コーヒーは焙煎を行って初めて商品になります。

生豆の状態であれば比較的長期保管に対応が出来ますが、一度火を通した豆は成分が劣化しやすく、焙煎して製品化すると日に日に豆の味は変化していきます。

特に焙煎が浅いと豆が含む水分量が多く、酸化などで劣化しやすい。<浅煎りは日持ちしない>のです。僕はいわゆる中〜深煎りの賞味期限を〜3週間くらいと捉えていて、対して浅煎りは<7日〜10日>が限度だと考えています。それが仮にbluebottle coffeeの豆であったとしても、甘みやクリーンな酸味のピークは焙煎から7日目程で、そのあとは飲めないことはありませんがエグみや渋みが増します。

bluebottle coffeeが、焙煎した豆は焙煎直後を除き48時間以内のものしか提供しないというルールを設けてるのも非常に理解出来ます。浅煎りはユーザーが楽しめる期間が短い為、まとめ買いし難いのです。

 

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【お店にとってはハイリスク】

デメリットはユーザーにだけ、ではありません。販売をするショップにもリスクが伴います。

前述、ユーザー目線で1週間そこそこしか持たない豆。それをロースターが販売するとなると、焙煎してから売り切るまで<たった3日間>くらいしかないのです。ユーザーにはコーヒーを美味しく楽しんで欲しい故、売れ残れば廃棄しなければいけないジレンマが生まれます。お店によっては、レストランや他のコーヒーショップに卸しを行っているところもありますし、ロースターでなければ浅煎りが提供出来ない理由もこの辺りでしょう。

焙煎は機械で行うとは言え、手間暇かかる作業。生豆もお店によっては一気に仕入れて長期間保管しているケースが多く、仕入れで掛かった費用を回収するのに時間がかかる為、キャッシュフローが悪いという現実もあります。

ということで・・・浅煎りとは、単に焙煎の度合いを変えるだけが問題なのではないことが理解出来ます。

 

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【日本人の味に対する許容範囲】
ここ数年、<コーヒーの美味しさ>がチャートや、例える味のバリエーションによって非常に分かりやすくなってきました。ただ「美味しい酸」というのが日本人からすればどうなのでしょう?そもそもの話、日本人の舌は欧米人のそれと比べ、酸に対する許容範囲が狭いそうです。http://ir.tokyo-kasei.ac.jp/metadb/up/kasei/2011_k_0559.pdf

どちらかと言うと深煎りで抽出される油分の旨味などが日本人にとっては良い評価となるケースが多いそうです。個人差が出る部分ですが、日本人に合う味を求めるなら中〜深煎りという考えもあります。

 

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【まとめ】
むやみやたらに浅煎りを否定するつもりは一切ありません。僕自身、浅煎り大好きですし、それがたまにナチュラル精製を施したものだったりすると、、、テンション上がります。

サードウェイブが師事する<浅煎り>という文化、単に焙煎する時間を短くするだけが方法ではなく、正しく味を楽しむ為のスキームがロースターさんへ課せられるのです。それに対して、消費する我々にリスペクトがあればより良いのでは、ということをお伝えしておきたいと思います。

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