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王滝100kmは準備がカナメ。ということで、準備編はこちら。

当日出走まで

さて僕らは仕事の都合上、当日受付で出走でした。長丁場になると睡眠時間が顕著に体力へ影響を及ぼすので、前日夜早めに出発して日が変わるくらいに現場へ到着。満天の星空を眺めながら、車中泊。

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4:00起床。

4:30に受付(SS-MTBは車検も)して、ゼッケン付けて自転車を並べます。この時点で、先頭から200mくらい後ろ。ズラーっと並べてあるMTB群は圧巻でした。

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そう、この並べる順番ですが、正直何が良いのか決定打を述べることは難しいです。朝早く起きて、位置取りの為の位置取りまでするのはセルフディスカバリーというタイトルからは程遠い。けれど、後方スタートでタイムを失うのも微妙。

結果論を言えば、シクロクロスのスタートよろしく、隙をついて前に出ればある程度順当な位置までは自分の足を使ってブリッジ出来ると思います。今回は過去最大のエントリーだったそうですが、4:30に受付して、のんびりゼッケン付けて並べて・・・その位置でも序盤の舗装路だけ頑張れば集団のサイドから抜いて走れました。
ただ、足は使うし落車リスクが無いわけでも無いので、心配なら少し早めから並べて置いて、並べた場所でゼッケンつけるなり用意するのも手かも知れません。(ちなみにこの日の最大心拍はブリッジした直後の登り入り口でした)

あとは6:00までゆったりしているので、朝食を摂るなり、着替えて、トイレ渋滞に並んだり(ここは本当に深刻)して過ごしましょう。

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それと自転車の準備で重要なのが “タイヤの空気圧”。体重やタイヤの種類によって前後はしますが、チューブレスならばあえて「いつもより少し低圧」をオススメします。
今回レース中、数え切れ無いほどパンクで止まっているライダーを見かけましたが、全体を見渡して、パンクした原因はほとんどが「ラインの選択ミス」だと思います。

正味、尖った石が原因でタイヤを傷つけるのは空気圧が低かろうが高かろうが関係ないと思うのです。リム打ちパンクするようなセクションも然程見当たりませんし、要になるのはラインの選択です。

このラインの選択を妨げるのが、下りの振動&両腕の疲労です。とにかく王滝の下りは凹凸が激しくどんどん腕が上がっていくので、狙ったラインへタイヤを持っていく、またはラインを見落とさ無いためにも、空気圧は少し低めにして楽に下り続けることが得策でしょう。

ちなみに、僕はあまりにライン取りに集中した挙句、自律神経がおかしくなり、疲労しているはずなのにその夜なかなか寝付け無いという症状に見舞われました(長時間運転しているとたまになる)

出走〜ゴール

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たぶん走ったことない方で一番気になるのは、路面の状況や、一連の流れだと思うのですが、走行中の写真は一枚足りともありません・・・。

汗と砂埃でドロドロ、手はエナジージェルでベトベト。かつ永遠心拍数が160bpmを上回る中、携帯を取り出す気になれず、快晴で美しく鎮座していた御嶽もこの目で拝んだだけでした。ので、気になる方はASIMOこと筧太一選手の果敢なチャレンジブログをぜひご覧ください。かなりの枚数、王滝の走行写真が掲載されています。
http://taichi.bikejournal.jp/?m=201605&paged=3

何より言えることは、王滝というレースがMTBライドの中でもかなり特殊な状況下だと言うこと。その状況下でどう体が変化するかお伝えしたいと思います。

腰の爆発

シングルスピードで走る以上、当然ギア比を変えることは出来ません。普段でも勾配がキツくなれば、足で踏み込む + 腰を落として自転車を引き付けるようなペダリングで凌ぐのですが、それを保てるのは普段乗っている程度の時間まで。2〜3時間も経つとどんどん腰に違和感が出てきて、登りはおろか平地でも下りでも調子が悪くなってきます。
そうなると手の打ちようが無いので、なるべく必要箇所以外は足の筋力で踏み込む・引き上げるを繰り返してジワジワ走りきることが大事です。

登りより下りの方が辛い

想定外だったのは、王滝というレースでは登りと匹敵するほど下りがキツイのです。前述、凹凸がとにかく多く、ガレ場も多いため、腕に掛かる負荷が半端で無いです。特に僕は前後リジッド、もろに振動を身体が受けるので、挙句はブレーキレバーが握れなくなり、止まって回復を待つという動作を何度も繰り返す羽目になりました。登りで止まることは殆ど無かったので、これは堪えました。
サスペンション欲しいよ、というのが本音ですが、それでも果敢にリジッドで挑むのならば、タイヤの空気圧は低めで、腰と同じくなるべく始めの方に無理して手に負担がかかる動きをしないことです。

水分・カロリーの補給

水分もカロリーも、補給するタイミングは常に「身体からシグナルが出る前」です。ただそれだと判別つきにくいので、ざっくり水分は10分〜15分毎に口一杯分くらい飲むのと、エナジージェルなども30〜40分に一回、時計を見ながら摂取するのが一番安心です。

結局いずれも身体から非常信号を聞いてからアクションを起こしても時すでに遅し。そして悲鳴を上げ出すタイミングは、どれを取っても「いつものライド時間を超えて少ししたあたり」から。定期的にMTBに乗っている人であればあるほど、自分のライドスタイルに適応した身体になっていることが理解出来ます。手遅れになる前に気をつけたいのと、逆にこの100kmで変な癖がついていることを見抜くことも可能だと思います。

シングルスピードで対応出来るのか

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走行中は必死にペダルを漕いでいること以外、割と退屈なので、景色が良ければみんな絶景に一喜一憂するし、近くで走っている人をジーっと目で追ったりしていました。それが理由なのか「おぉ、シングルスピード頑張れよ!」とか「リジッド凄いですね」など色々声かけて貰えてとても励みになりました。

また同じくシングルスピードの方を見つければ、生き別れた兄弟に出会ったような感覚になれるし、このギアたった2枚の共感覚というのは伊達じゃないようです。

ギア比さえ自分のペースに合えば、シングルスピードが正直それほど苦行だとは思いません。(リジッドははっきり言って地獄ですが)もし、ディレーラーの有無で参加を迷われている方がおられるとすれば、全く不安がらず、思い切って参加されると良いと思います。

SDA王滝 100km にシングルスピードのMTBで参加した話(レース当日編)

kossy


自転車歴20年の社会人アスリート。BMXパーク競技を経て泥の中をレースするシクロクロスへ参戦、ボーダーレスな自転車競技活動を続けている。All-City Cyclesの本国契約ライダーとして国内トップカテゴリーを走る一方、本職では自動車整備業に従事。乗り物のほかコーヒー、銭湯、カメラにアウトドアなど、趣味は常に多彩でオーバーフロー気味。 Instagram / Twitter / Facebook


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