Photo by Harimax

「今期最強寒波」が列島へやってきた週末。猫はこたつへMTBerは雪山ライドへ繰り出す中、僕らはあいも変わらずレース会場へと車を転がすのです。

阿波シクロクロスへの参加はこれで3回目、関西シリーズと被らない日程で、シーズン終盤の週末をレースで埋めてくれるありがたい存在です。四国へは小旅行で何度も足を運んでいるので、帰りの神戸渋滞を除けば意外と近い場所だというイメージなのです。

2時間半で現地へ到着、開催規模は関西よりコンパクトめで混走も多く、スケジュールはいつもよりゆったり。寒さも日が出て落ち着き、8時からぼちぼち試走を始めます。
事前に確認していたコース図と比較すれば、長い直線には緩急がありとてもテクニカル。狩られた草のセクションもコース幅が広く、ラインが複数あってコーナリングが高速で楽しい。SSCXもさほど苦ではないレイアウトで、1周は僕のペースで5分半くらいでしょうか。

あとシケインはいつもより1枚板が低く30cmくらいなので、1時間きっちりミスせずに飛ぶことが出来そうな感じでした。

コースはボコボコな箇所も多く、タイトなコーナーもあるので低圧にしたいところですが、石で弾くのも嫌だったりバニーホップでタイヤがヨレるのもあって、コースに対してはちょっとだけ高めの前1.55bar / 後1.6bar。タイヤは引き続きPanaracer GravelKing をTL運用です。吉と出るか凶と出るか。

最終的に出走6名となったC1。全員一列目、序盤の元気なうちはあんまり人の後ろ走りたくないので、割と飛ばしてホールショットゲットでした。


Photo by Harimax

1周目はそのまま自分が先頭で戻ってきますが、以前表彰台常連だった島田誠選手が前に出てジワジワ引き離されていきます。ペースが乱れるだけなので見送るものの、今日の最大のライバル、FDこと福田選手が島田選手に着いていきます。福田選手の後方を着かず離れずで数周回、ペースや走り方を確認しながらレースを進めます。

さてシケイン。バニーホップの動画が長い前フリになっていたのか、僕が差し掛かる時には凄い数のギャラリーが周辺を囲んでいて、モーションを取る前にちょっと笑ってしまいました。ありがたや。たくさんのレンズがこちらを向く中、難なく越えて後続を引き離します。


Photo by Harimax

ただ福田選手にはすぐ追いつかれる。トラクションの限界に劣る僕のTLに対して、福田選手は使い慣れているであろうTU。この辺でタイヤチョイスの差が生まれるのだなぁと。もし最終ラップまで攻防がモツれたら、僕が勝つにはシケインから後の動き次第。フィニッシュまでは高速コーナーの連続で、約1km / 2分くらい。シケインで思いっきり引き離してもまた後ろに着かれる可能性は高いし、悩ましい。

そんなことを考えていたらコーナーでミスして転倒。残り3周で福田選手を前に出してしまいます。即立ち上がってその場を凌ぐのですが、さすがはFD、わざとコーステープ際を走ってドラフティングさせないワザを繰り広げ出したりしてくる訳です。内心爆笑しながら何とかつき位置。

ラインが塞がったこともあって、最終ラップ手前2周のシケインは飛ばずランを選択。「お、こいつもう飛ばないのか?」とか思われていれば吉。最終ラップへ向けて福田選手の前へ出て、呼吸を整えます。


Photo by ぴぐもんさん

11ラップ目=最終周回。先ずは可能な限りインターバル掛けて振るい落とす作戦、が、なかなか離れないFD。諦めて狭い直線は休んで、またインターバル。結局2位争いの勝負は僕と福田選手の2人で残り1km弱、イメージしていたシケインまでもつれ込みます。

ここはビシっとバニーホップで越えて、一気にペースを上げます。ただし追いつかれそうなので一旦呼吸を整えて、追いついてきたところでもう一度踏み込む。意識が飛びそうになりながらも、とにかく彼よりも先にフィニッシュラインを超えるイメージだけをし、最終コーナーへ。

この最後のコーナーだけは思い切りブレーキしてジワリと曲がる。相手のリズムを崩したところで一気にスプリント。無いパワーを絞り出して振り切って勝利を確信、ギリギリ片腕を上げてフィニッシュでした。やったぜ、2位ゲット。


Photo by ぴぐもんさん

福田選手とはいつ走ってもコーナリングやラインチョイスが近くて、走るリズムが似ていると感じますが、それもあってここまで終盤まで戦いがモツれると、際どい争いになります。サイドバイサイド。いやはや、楽しい楽しい。

応援してくださった方からも「見応えあった」と声をかけていただいて感無量。ひさしぶりに表彰台に登らせてもらいました。

そういえばレース前の話。
何度か話をしたことのある方がお子さんを連れて声かけてくださって「実は息子が毎日Youtubeのバニーホップ動画見てて、腰山さんがヒーローなんです」と。流石に声出るほど驚いて、その場でバニーホップして見せてみたり。
その子が3〜4歳くらいかなぁ、あとレースもシケインの前にたくさん子供が集まっていて歓声が凄くて驚きました。自分がヒーローになれるか何て考えたこともないけど、その子とレース後にハイタッチ出来たり、物凄く印象に残るレースとなりました。


Photo by ぴぐもんさん

大会名: シクロクロス四国 / 阿波シクロクロス
開催日: 2019年1月27日
開催場所:徳島県三好市三野町
気温:   7℃
リザルト: C1 2位 / 33%
路面状況: ドライ
使用機材:All-City Cycles “Natureboy853”( http://allcitycycles.com )
ギア比: 38 x 19 = 2.0
タイヤ: Panaracer “GravelKing SK” 32C / F1.55bar R1.6bar
ウェア: WAVEONE “クロススーツ”

阿波シクロクロス

kossy


自転車歴20年の社会人アスリート。BMXパーク競技を経て泥の中をレースするシクロクロスへ参戦、ボーダーレスな自転車競技活動を続けている。All-City Cyclesの本国契約ライダーとして国内トップカテゴリーを走る一方、本職では自動車整備業に従事。乗り物のほかコーヒー、銭湯、カメラにアウトドアなど、趣味は常に多彩でオーバーフロー気味。 Instagram / Twitter / Facebook


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