Photo by KeiTsuji

ここのところ、レース前後で「スタートの仕方」を尋ねられることが多いです。思えば1列目からなら概ねホールショットがいつも狙えてるし、今日(紀ノ川)も2列目から前に出てしまい、村田さんの横まで行ったものの照れてスッと後ろに下がるなんて状況でした。

さて、シクロクロスのスタートにはコツがあります。知ってるのと知っていないのでは雲泥の差なので、4つ紹介したいと思います。

1. モーション(最初からかがんでおく)
人によってスタートするときの動きが違います。ヨーロッパのトップ選手も、一度かがむ人やそのまま状態が起きたままの人、様々です。日本は割と一旦身体をかがめる人が多いように思います。一連の動作を分けると、1. 状態が起きたまま号砲を待つ 2. 号砲と同時に屈んで目一杯ペダルを踏む 3. クリートをハメる。だと思うのですが、、、、なら最初からかがんでおいてはどうでしょうか。スタートなんてホンの数秒で位置が変動します。余計な動きをしないためにも、自分のモーションを分析して、取れるギリギリのポーズで号砲を待ちましょう。

2. ギア比(重め)
今回のTIPSの5割はコレです。結論から言えば、ギアを重くしてスタートすべきです。幸い僕はシングルスピードで走っているので、周りが「カンカンッ」と変速している間もペダリングすることが出来、明らかに前へ出ることが出来ています。某トップ選手もスタートから100mくらいは変速しないらしく、最後の方はケイデンスが高い状態のようです。その方が明らかに初速〜巡航に移るまでが速いです。数値で言えば、前後で2.0くらいになるのが良いと感じています。ですが、出だしが遅いというリスクもあります。が、次の項で解決策を用意しています。

3. クリートがハマっていない方の足(地面を蹴る)
僕はグリッドで左足をクリートにハメて待機していますが、反対の右足にも重要な役目があります。それは、号砲と同時に地面を蹴っています。2. で書いた通り出だしは周りよりギア比が重いのですが、その分は右足で地面を蹴って、初速を補っています。これが案外簡単で、慣れればペダルをあまり踏み込まなくてもスッと前へ飛び出すことが出来ます。

4. クリートがハマっている方の足
とは言え、クリートがハマっている方の足も、初動でしっかり踏み込みが出来るに越したことはなく、意識していることが一点あります。それはクランクの角度。大抵みんなクランクが水平に対して+30°くらいの位置で待機していますが、クランクは間違いなくキッチリ水平に保った方が踏み込み易いです。3. の反対側の足と合わせれば、かなり重いギアでも初速が確保できるので、ぜひ一度試してみて欲しいです。

ということでマトめると、「ギア比は少し重め、身体をスタートのモーションに合わせて、クランクは水平。号砲と共に反対側の足で地面を蹴って自転車を前へ押し出す」こんな感じでしょうか。

あとは「クリートをあえてハメない」とか「前者の利き足によってタイヤを放り込む方向を決めておく」とか、色々裏技もあるのですが、面倒なのでその辺はまた直接聞いてみてください。

<シクロクロスのスタートTIPS>

kossy


自転車歴20年の社会人アスリート。BMXパーク競技を経て泥の中をレースするシクロクロスへ参戦、ボーダーレスな自転車競技活動を続けている。All-City Cyclesの本国契約ライダーとして国内トップカテゴリーを走る一方、本職では自動車整備業に従事。乗り物のほかコーヒー、銭湯、カメラにアウトドアなど、趣味は常に多彩でオーバーフロー気味。 Instagram / Twitter / Facebook


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