All-City Fun Meeting #2 – 神戸。
前回の広島 / ロードサイクリング に続き今回のテーマは ”マウンテンバイク”。新たに登場したモデル < LogLady > に込められた想いを、ライドで紐解いてみようというのが狙い所です。

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ホストは “SPARK scone & bicycle” さん。スコーン?バイシクル?SPARKさんは、神戸は元町で自転車と手作りのスコーンを提供するカフェ&サイクルショップ。港町を爽快に巡るレンタサイクルもあり、カフェでゆっくりとしたティータイムを過ごせる、この街に馴染むスペースです。

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オーナーの冨田功さんはガイドとしても名の知れた存在。神戸の “裏山” を冨田さんの案内で走ります。

8月11日。この日は、偶然にも新たに制定された「山の日」。新しい祝日を迎えるには絶好の企画となりました。

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元来、この神戸が位置する「阪神間」というと、要は大阪の”阪” と神戸の”神” の間、主要都市に挟まれた土地を意味するのですが、その土地の人々は日常的に北を「ヤマガワ」 南を「ウミガワ」と呼びます。それほど、山があって海があることが当たり前なわけですが、その環境たるや自転車文化を深く知れば知るほど、あまりに恵まれた土地であることを理解せざるを得ません。

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ロードを乗るにしても、標高900mの六甲山(実際は山脈のように長く続いている)へ続く道が複数とても容易にアクセス出来ますし、都市部のサイクリングロード、湾岸部にはダートジャンプトレイル、そして裏山にシングルトレイル。

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裏山という言葉自体、日本人にとってはドラえもんくらいしか触れることが無いような気もしますが、学校のテストで0点をとってママに怒られた日、ジャイアンにイジメられて涙ながら帰ってきた日に走って駆け上がったあの裏山が、僕らの街にも存在するのです。

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神社の脇道を抜けて遊歩道を走ります。まだこの標高だとハイカーも多く、都度丁寧に挨拶をするローカル。どこでもある話(仮に自転車の乗り入れがリーガルだっとしても)ハイカーとライダーが共存するポイントはこういうところだなぁ。僕たちもマネをして元気よく挨拶を交わして先へ進みます。

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冨田さん「僕らがいつも寄る、朝メシポイントがココ。ご飯食べて、結局ここでずーっと喋って時間すぎちゃうこともあるけど、、、そんなノリで大丈夫?」

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もちろん大丈夫です。郷に入れば郷に従え、みなが愛する朝飯を一緒にいただく(その時の小っ恥ずかしい卵焼きのクダリは、MXのブログをどうぞ)

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今回参加されたのは、SPARKさんを縁にこの裏山を走っているみなさん。トレランをルーツにしていたり、山で遊ぶことにとても長けています。ルートの中にはかなりの勾配も用意されていたのですが、26inchのハードテールでスルスル下っていくのが印象的でした。

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途中「裏山会の根性試し」的なセクションがあり、正直結構危ないので僕は遠慮させて貰ったのですが、そこはローカル、みんないいスピードで下っていくのでした。

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このフィールドでも自転車はあくまで機材スポーツなので、最新技術への興味は止まないのですが、当然いまは昔懐かしいバイクであっても、その当時は最新機材として寵愛されたのです。それ以来長年付き合ってるバイク然り、譲り受けて大事に育てているバイク然り、それらのスペックは多くが時間を掛けてその土地どちに応じた頃合いに落ち着いていくと思います。

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とは言え、僕みたいに他のジャンルからMTBを興味深く見ていて、いざ始めたいと思ってもハードルが高いのも事実。不要なスペックにお金を掛けるわけにもいかないし、かといって下位グレードのバイクはそれなりのパーツだったり見た目だったり。

ロードにしても、シクロクロスにしても、そのジャンルで容姿の優れた自転車を見抜く力が養われていればいるほど、腑に落ちるモノがナカナカ見つからないのです。

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必要なスペックのみを(タイヤ径だったり、油圧ディスクだったり、XC寄りなジオメタリは正に)突き詰めていき、あの懐かしい雰囲気を残した結果がこのLogLadyだったのだと思うのです。

何より今回3台のLogLadyがライドに登場し、僕とガイドの富田さん、そして写真を撮影してくれたMXの山本さん、特に彼がカメラなどの機材をしっかり背負いながらもクイックにハンドルを捌いて僕ら一行に帯同してくれていたことで、このバイクが見た目以上のポテンシャルを持っていることを確信したのです。

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そんなこんなを考えながら冨田さんのアテンドについていくことほどなく、今回の最終目的地でもある森のスラロームに辿り着きました。
自然の地形を利用して、ローカルが徐々に育ててきたこの場所。丸太で側面を鍛えたバンクが LogLady の名に相応しい絵になります。

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急勾配に、樹木を軸にした急ターン。リジッドの直感的な反応と、クイックなハンドリングを体感する瞬間でした。

ちなみにこの日登場した3台のLogLadyはパーツは完成車そのままで、タイヤチョイスが3台とも違いました。冨田さんのバイクが純正のクリンチャー2.2、MX山本さんがSurlyの3.0、僕のチョイスは2.35のIRC Mibro(チューブレスレディ)に1.5気圧。純正もRocketRonがはまっていて充分楽しめる仕様ながら、チューブレスの低圧さで全体的なグリップ力と軽さを稼ぐのも良し、プラス規格で圧倒的なグリップ力を登りで楽しむのも良し。

[vimeo width=”600″ height=”450″]https://vimeo.com/178765954[/vimeo]

 

今回のライドの模様をシュッと映像にまとめています。夏っぽい選曲を、EVISBEATSことアキラくんから拝借しました。ありがとうございます。

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帰路はジープロードとシングルトレイルを笑い声と共に下って、気が付けばあっという間に山中を抜けて下山。見渡せば思いっきりビル群、都会。あぁ、そうだ、神戸の山を走っていたんだっけな。

居場所の感覚を狂わせるほどの非日常さが実は生活圏からほんの少し隣に佇んでいて、実は気軽に楽しむことが出来る。聞けばAll-City Cyclesの生まれたミネアポリスはこういったトレイルの宝庫で、山の多い日本とも少し似た環境なのかも知れません。LogLady に込められた想いとは、そんな素敵な非日常を、気軽に、それに必要なシンプルな機材で楽しんで欲しい、そういったものだったのかなと気が付きました。

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Spark冨田さん、ご参加いただいたみなさん、本当にありがとうございました。ライド途中に662チームメイトの田口さんと奥ちゃんに遭遇したのですが、実は山中で僕がサイドカットしてパンクして、すかさず修理キットを差し出してくれまして・・・本当助けられっぱなしのこのライド企画。感謝です。

18.5kmで700mアップ。結構登りましたね・・・。この企画はまだ続きます。次は涼しい時期でしょうか。どこでどんなライドが出来るか、今から非常に楽しみです。

今回のライドの模様は Instagramの #allcityjapan でもチェック出来ます。

All-City Cycles “LogLady” : http://ride2rock.jp/products/96000/

“All-City Fun Meeting 2016” #2 神戸

kossy


自転車歴20年の社会人アスリート。BMXパーク競技を経て泥の中をレースするシクロクロスへ参戦、ボーダーレスな自転車競技活動を続けている。All-City Cyclesの本国契約ライダーとして国内トップカテゴリーを走る一方、本職では自動車整備業に従事。乗り物のほかコーヒー、銭湯、カメラにアウトドアなど、趣味は常に多彩でオーバーフロー気味。 Instagram / Twitter / Facebook


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