さてCXシーズンが終わって、以前から検討していたBMXフレームの載せ換えをしました。
いまのフレームはSunday Bikesのアーロンロスシグネチャー。YETIカラーに自分で塗ってかれこれ4年以上、BB低くてリヤタイヤの操作感も良くたいへん気に入っていました。特に不満もないのですが、さすがに長く乗っているし、モチベーションアップも兼ねて新調することにしました。
FBMが生産を辞めたアナウンスもありましたが、2000年代にライダーオウンブランドとしてその地位を築いたブランドは多くて、S&M、FBM、METALなどなど、中でも “Terrible One” はスタイルを追求するメンバーで構成された独特なブランドでした。
長くBMXに携わる身としてT-1を選ぶのは最後の選択な気もしていまして。それこそいつかはクラウン的な。正直長年避けてきたところもありますが、一番乗りたいフレームを選ぼうと決めて、Terrible One の Ruben Alcantara シグネチャーを購入しました。
せっかくなのでメンテナンス台に乗せて、ゆっくり丁寧に組み上げていきます。仕事終わりに日に1時間弱ずつ進めて結局5日間ほど、ポジションからブレーキタッチまで全て納得行く状態にして組み上げました。
パーツは、フレームに合わせてハンドルもT-1のクラシック(8.25 / Raw)、フォークは自転車を長くしたかったので DemolitionのFOX Forkにしました。ベアリング類も新調して、意味あるかわかりませんがグリスも打ち替え。グリスってハウジングにたっぷり塗るもんだと思ってたんですが、NTNのサイトを見ると温度にもよりますが、大体ハウジングの3割程度満たしていれば良いんですね。
ちなみにチェーンはCXで使っていた和泉チエンの “V” を奢ってやりました。BMXのパークなんぞに必要ない性能ですが、見た目的にもブランド的にも大好きなので良いかなぁと。
デカールは「複数つけておくから好きなところに貼ってくれ」スタイル。僕はこういうの逆に困るんですが、Instagramでリサーチしまくって位置決めしました。
以前と近いポジションにしてあるので然程乗り味は変わってないのですが、フォークの突き出し伸びた&ヘッドも寝ているのでスピード出したときの直進安定性はかなり上がりました。特にバートでのエアはかなり楽になりました。
あと違いの分からない僕でも分かる程度にフレームが柔らかい。力が逃げる感じもありますが、それよりも腰や関節に優しいマイルドな乗り味がいかにもルーベンな感じです。
シクロクロスのシーズンを終え、これからはトレーニングに加えてBMXもとても楽しめそうです。
なお、以前アナウンスしていたスケートパークでのBMXスクールもおかげさまで好評で、続けて開催しています。詳しくはこちらをどうぞ。 http://www.goodskates.com/lesson.html
Photo : Kenji Muto Quiróz
山梨県はウイスキーやワインの名産地、白州へ足を運んできました。北アルプス・南アルプス、八ヶ岳に囲まれた絶景を有するこの場所で「バイクロア 白州」というイベントへ参加したのです。
バイクロア、は、大人がアウトドアで一生懸命遊べる自転車イベント。白州では自然豊かな森のコースでレースを楽しめるのと、キャンプも満喫できます。僕にとってはシクロクロスのオフシーズンで、ゆったり参加させていただく恒例行事となっていますが、今年は例年と違うハプニングが。【BMXのジャンプショー】に参加させていただくこととなりました。
国内のトップライダーたちが魅せるジャンプのデモンストレーション、実は企画自体もトップのライダーが担っています。海外ではナイトロサーカスのような大規模なスタントショーが華やかに開催されていますが、国内で活動する彼らを、実際に参加したライダー目線で、内側からご紹介したいと思います。
Photo : Kenji Muto Quiróz
僕が今回参加させてもらったのは、YBP PROJECTがプロデュースするジャンプショーである “Air Trick Show”。栗瀬裕太という関西出身のプロBMX/MTBライダーが、長年の夢であったYBP(Yuta’s Bike Park)というダート施設を山梨県北杜市に3年半掛けて自らこしらえ、常設で運営しています。YBPを運営するYBP PROJECTがシーンを広げ、盛り上げるべく企画しているのがこのショーなのです。
実を言えば裕太くんとは、僕がBMXを始めた20年くらい前からの付き合い。海外での転戦経験も多いトップ選手なのですが、とにかく気持ちの熱い男で、僕が以前開催していた大会にも遠路はるばる顔を出してくれて、デカいトリックで会場を沸かせてさらっと帰っていくようなライダー。
僕は大したトリックも出来やしないのですが、バイクロアとシクロクロス、そしてBMXという縁でお声掛けいただいた訳です。
Photo : Kenji Muto Quiróz
長年シーンに携わっている僕自身、ショーやコンテストの経験はそれなりにあり、頻度は別として場数は少なくないつもりです。ですが、下に登場する映像にもあるように何故にここまで緊張していたのか・・・。
何よりの理由は、今回参加しているライダーの顔ぶれです。メンバーは国内のシーンではトップ中のトップ。簡単に説明すると・・・。
国内最大規模のコンテストで連続で優勝ダブルバックフリップを国内唯一メイクする高木 聖雄、メンバー最年長ながら2016年度の全日本選手権優勝者の大西 勘弥、自ら地元三重にスポンジプール=練習施設を作り上げて自身も表彰台常連の 西 昂世、日本人BMXストリート唯一のRedBullライダーで若干16歳の中村 輪夢、そして国内MTBダートジャンプのトップ選手でBMXと遜色ないトリックを繰り出す永井 秀夫。
ちなみにこのショー自体は永井くんが代表を務めるJumpers Storeがライダーの選定・当日の運営を行っていて、全国へショー用のランプを運ぶ為ピックアップトラックに機材を積み込み、遠征を繰り返しています。
説明を書いている時点で「よくまぁこのメンバーとやること分かってて、OKしたよなぁ」と命知らずな自分を褒めております。
Photo : Kenji Muto Quiróz
BMXライダーとは、割と行き当たりばったりで破天荒なイメージもあるものですが、ショーを行うにあたっては綿密な打ち合わせがあります。各ライダー得意科目や、同じ技をするにしても派手さが多少違うので、ジャンプする順番や、どんなトリックをするのか事前に工程用紙に書き出されます。
案の定、自分の持ち技の少なさから身の縮む思いをしていたわけですが、この時点で他の皆から飛び出す技名がトンデモナイ難易度な訳です。後方一回転するバックフリップは彼らにとって馴染みのトリック、そこにノーハンド、テイルウィップ、スーパーマン、遂にはフロントフリップ(前回り、こっちの方がジャンプの動きに反して難易度が高い)にノーハンド足すと・・・。
彼らとはレベルは違えど何度もコンテストを共にし、普段大会などでどういうトリックに挑戦しているか知っています。だからこそわかるんですが、、、何でたかだかショーでそこまで攻めた技をやるの!!やっぱり破天荒なイメージで違いなかったんじゃなかろうか。
今回は、やや傾斜になった砂利の上にランプを設置したこともあり、初めての自分にとってはかなりの苦戦を強いられました。その点は長年やっている他のライダーも同じくで、スピードの調節などがシビアになるわけです。それでも臆することはなくガンガントリックにトライしていくのです。もちろんクラッシュもするし、それでもメイクするまでトライするんです。
なぜそこまでやるのか、ショーを最後まで特等席で見届けたおかげであることが理解できました。
僕なんかでも、彼らが本当難しい技にチャレンジして場を盛り上げているのを見ると、自分の出来る一番難しいことにチャレンジしよう!となってですね、かなり久しぶりにテイルウィップ(自転車のフレームを一回転させる技)にトライしました。ランプ自体が大きく滞空時間も長いので落ち着いてトライでき、なんとか一回でランディングできました。極度の緊張状態から解放されて、うおおおっと雄叫びをあげてたのですが、パッと見ると物凄く盛り上がっているのは僕だけじゃなく、見ていた子供達が物凄い勢いでハイタッチを求めてきてくれたんですね。
Photo : Kenji Muto Quiróz
イベント自体は大人の参加がほとんどを占める空間でしたが、連れられて来たキッズたちが洩れなくその場に集っていたようでした。一回一回僕たちが飛ぶごとにハイテンションで喜びを表現してくれて、必ずハイタッチ。
ショーが終わっても、ひと段落する僕ら目掛けてキッズたちが飛んできてサイン攻め。こういう場で、ショーをしたライダーたちは気を緩めず、自分たちが目指している夢や活動をシェアするのです。
Photo : Kenji Muto Quiróz
Photo : Kenji Muto Quiróz
例えば前述の1040(トシオ)こと高木 聖雄は、BMXの活動でご飯を食べています。プロ活動を支援する企業なんてのも最初からは存在していないので、自分の足で気になる会社へ出向き活動内容を紹介し、少しでも協賛して貰えるよう動いているのです。その甲斐あって海外に何度も出向いて挑戦をし続けています。
彼らにとって、リスクを負ってでもショーで攻める姿を披露するのは、自分たちの夢を応援してくれるファンを作る場でもあり、それを真っ先に理解するのは子供たちです。まだまだ認知度が高いとは言えないこの競技ですが、Air Trick Show を通じて、シーンが広がっていく姿を目にし、痛く感動するのでした。
Photo : Kenji Muto Quiróz
Air Trick Show は現在、徐々にその知名度を上げ、様々なイベントで活動をしています。先日は、室屋義秀が2年連続で優勝したRedBull AirRace千葉2017でもショーを披露しています。
BMXシーン的にもガチな彼らが活動する場が、更に広がっていくことを期待してなりません。
Air Trick Show / YBP PROJECT : http://ybp-project.com
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遂にJCFの競技規則に「BMXフリースタイル」の章が日本語で登場しました。
UCI版がリリースされた時に読んでいたものの、いざ日本語になるとピリッとするもんです。
“Best Trick” が 最高トリック競争 と訳されていたりジワジワくる点もありますが、何よりもジャッジの基準は当然として、トライした技がメイク出来なかった時の3段階評価基準まで用意してくるとは思いませんでした。
http://jcf.or.jp/…/up…/downloads/2017/04/JCF_Rule_2017W2.pdf
こういうのがリリースされると、揚げ足取ったり、読まずに無知なこと言ったりする事案が散見しそうですが、僕らが大事に取り組んで来た競技が陽の目を見る機会でもあるので、ぜひチェックしてみましょう。
ちなみに、個人的に好きな一節はコレです。
「BMXフリースタイル競技に使用される自転車は同径の2つの車輪を持つ乗り物である。前輪は操舵可能で後輪はペダルとチェーンからなる装置を介して、電気または他の補助なく駆動される。しかしながら種々の理由により、BMXフリースタイル競技の競技者は、チェーンを彼らの自転車から取り除くと決めることができる」
Hideo Watanabe by Yuta Yoshida
テレビCM、SNS、街角など、さまざまな場面でその姿を見る機会が増えてきた “BMX”。
BMXに20年近く跨ってきた筆者から見ても、特にここ数年で認知度がグンと上がっていることを感じます。(昔はBMXと伝えてもトライアルと区別つかないし、自動車メーカーのBMWと良く勘違いされたもんです)伴って競技を始める環境も年々良くなってきている一方、今までアンダーグラウンドだった名残なのか正しい情報が露出しにくいようにも思います。
「僕もBMXを始めたい」そう思った時にぜひ知っておいた方が良いことをまとめてみようと思います。
BMXを知るきっかけは様々で、エナジードリンク系サイトから発信される映像だったり、オリンピックでの選手の活躍であったり。あなたが目にしたタイヤ径の小さな自転車はBMXに違いないのですが、実は細かく分けるとBMXには6〜7種類のジャンルが存在します。あなたのアンテナに引っかかったBMXがどのジャンルなのか把握しておかなければ、訪ねるべきショップも変わってきますし、そぐわない自転車を手にしてしまう可能性もあります。
大きくは3つに分けてみましょう。
・レース
・ストリート(ストリート、スケートパーク、ダートジャンプ、トレイルを含む)
・フラットランド
<レース> は、土で出来たコースを複数名で走り抜けて順位を争う競技です。フルフェイスを被って、スタートの号令でいっきにコブを駆け抜けます。オリンピック競技にも指定されていて、リオでは長迫選手が活躍しました。
<ストリート> は、バニーホップで自らジャンプしたり、またはランプと呼ばれるセクションでジャンプしたり、技の難易度や完成度などが評価基準となるジャンルです。フリースタイルと呼んだりもします。実はこの中で更にいろんなジャンルに枝分かれしてしまうのですが、ある程度同じ自転車で競技を楽しむことが出来るのでひとまとめにしました。
<フラットランド> は、平坦な場所で自らクルクルと回ってルーティーンを魅せるジャンル。タイヤの横に付いたペグと呼ばれるパーツに乗ったりしてバランスを取りながらトリックを繰り出していきます。ストリートに比べてサイズ感の小さい自転車を選びます。
この3つのジャンルではそれぞれ異なる種類の自転車を使用するので、初めにどの競技にトライしてみたいのか把握しておかないと、自転車を再度用意したり少し遠回りすることとなります。
筆者はこの中でもBMXストリートに長く携わってきました。
自分の欲しいジャンルのBMXがわかれば、次はどのような自転車を選べばいいのか掘り下げていく楽しさがあります。ですがどのような素材、どのようなグレードにすべきか、基準が無いので選択しにくいとも思います。
ストリートに関して言えば、最近のBMXはどんどんスケートボード化していると思います。パーツなどはある程度進化しきってしまった感があり、スケートボードのようにフレームサイズとグラフィックで選ぶのが主流だと思います。
例えば、フレーム自体はほぼ全てがクロモリ。一時期アルミやチタンも出ましたが、強度やコストの問題もあって姿を消してしまいました(2HipのPorkとか好きだったのにな・・・)クロモリも焼き入れで硬くして極端に軽いモノもありましたが、やはり強度的な問題があったので各社平均的な重量になっています。ジオメタリもサイズ以外では初心者に理解出来るほど違いはないので、身体に合えばなんでも良いと思うのです。
サイズは例えば身長が 170cm の僕でトップチューブが20.5inchのものを良く選んでいます。好みにもよりますが、だいたいは180cmだったら21inchくらい、160cm以下だったら20inchくらいを目安で良いかな、と。
パーツも、いわゆるロードのコンポのようにグレードがあったりするわけでもないので、例えばスプロケひとつにしても市場のほとんどが同じ性能で、削り出しなどで各社美しいビジュアルが売りになっています。
完成車も、値段相応。下は32,000円くらいから、10万円くらいまで。個人的には5万円そこそこの完成車がカラーバリエーションも多く、パーツも長く壊れにくいものが付いているイメージです。ちなみに、Sunday Bikesというブランドに15.8万円の完成車もあり完全にプロが乗っている仕様が最初から手に入るようです。
ということで、こだわりの1台を時間かけて探すのも良いのですが、正直特別に安いモデルというのはなく、それよりも色や見た目の感覚で、長く付き合えそうな一台を探すのが良いと思います。
ちなみに、購入した自転車の色に飽きてしまっても、さっと缶スプレーで塗ってしまえる潔さがBMXの良いところであったりもします。
tone up from Yusuke Yamamura on Vimeo.
自分の欲しいジャンルのBMXがわかれば、次は購入する場所がトピックにあがってきます。
このご時勢、インターネットで自転車のパーツを買うのは当たり前。完成車であっても丁寧に梱包されて、翌日には自宅に届いているものです。しかしながら個人的には、長年BMXに携わってきて「ショップで直接自転車を買う」ことを僕は強くオススメしたいです。
割と色んな自転車競技でも、実はその自転車やパーツを手にするまでが楽しくて、所有欲が満たされれば納得してしまうケースや、独りでまだ見ぬ地へ出かけることが楽しかったりすることもありますが、、、BMXストリートにおいては買ってからテクニックを身につけることが勘所、または練習する場所に悩むこともしばしば。
だいたい老若男女、アマチュアからプロまで皆それぞれ自分の「ローカル」というものがあって仲間がいて、それぞれが懇意にしているショップがあります。ショップでは商品だけでなく、技の練習方法から場所、または若いライダーにとっては先輩から人と接するイロハを教えてもらえる貴重な場所であったりもします。
以前、名古屋の街中をスーツ姿で歩いていたら熱心にBMXの練習をする若人を見つけ、頑張ってるなぁとジーっと眺めてたんですが、僕に気付いた彼らが突然「こんにちわ!」と爽やかに挨拶してきたんですね。本当に驚いて驚いて。後で聞いたら名古屋の地元ショップの店長が凄くローカルを大切にしていて、お店を訪れる彼らにもそうやって教えているそうな。素晴らしいですね。
そんなお店情報ですが、個人的にはBMXの老舗問屋 ZEN Distributionさんのサイト を参考にされるといいかもしれません。BMXのみを生業にしている彼らが選ぶショップさんは、どこを訪れても個性と活気がある楽しいお店ばかりです。
昔はですね、どこぞのローカルかもよく分からない海外のビデオテープをショップでゲット。テープ伸びるほどテレビデオのスイッチ押して、どんどん偏ったトリックを盗んではトライして、それが次第にローカル独自のスタイルになっていた、みたいなことがよくありまして。だいたい各地方に数名真っ赤なラットボーイがいましたよね。
それはともかく、今時はBMXの映像と言えど無料のコンテンツがほとんどですし、リアルタイムなトリックをプロ本人が自分のInstagramで日々投稿していたりします。見てて飽きないですし、携帯片手に新しいトリックを練習するなんて当然のこと。
または、これだけ簡単に撮影して自分から情報を発信出来るとなれば、自ら使わない手はない。日本だとKINK BMXのケンとか、ほりえぐみというクルーなどがコンスタントに自分の映像を投稿していて、それがきっかけで日本を飛び越えて世界で注目される、なんてこともあります。
Quick 2 🐝🐝 🎥 @kuripnkt #横浜観光大使 #クイクックがお好きでしょ
Yumi Tsukuda ゆうみさん(@yumingrow)がシェアした投稿 –
速さやスピードで語られる凄さも面白いのですが、技の難易度、スタイル、または映像の見せ方ひとつで世界から注目されることだって可能な競技だということを、スマートフォンを通じて改めて感じます。
以前ここにも記載しましたが、BMXパークは現在UCI(国際自転車競技連合)の正式競技に指定されており、ワールドカップや世界選手権が今まさに執り行われようとしています。これによって社会的な地位が確立されていきますし、オリンピックの正式競技に指定される日も近いでしょう。
もちろんUCI競技となれば、国内でもJCFとしても国内競技を充実することに動き出すでしょうし、実際プレイベントとして「全日本フリースタイルBMX連盟」がシリーズ戦を開催しています。
今までアンダーグランドだった僕たちの競技は日の目を見出していて、既に国内でストリート/パークのRedBullライダーが誕生したり、未来のオリンピアンを育てる動きが各所で見られています。
スケートボードは一足お先に2020年からオリンピック正式競技になっていますが、日本では女子の選手がXgamesで優勝をし世間を騒がしています。神戸ローカルの彼女を以前から知っているのですが、テレビ取材やスポンサーなど、一気に競技環境が変わったんじゃないかと思います。
世の中色んなジャンルのスポーツや競技があります。僕らが競技を始めたあの頃、BMXを知っている人が少なくて、一生懸命やっていたにも関わらず「遊んでるだけ」というような印象を持たれていたことも多々ありました。それだけじゃない、反社会的な印象を勝手に持たれたり、ショップが認知の低いBMXだけで維持できず閉店に追い込まれる悲しい一幕も見てきました。
Kozo by Yuta Yoshida
社会的認知があがって、賛否両論あるかもですが、僕は、僕たちの愛するBMXが社会から必要とされ、より多くの人を楽しませる競技として進化していくことに期待していますし、その過程で日本からも世界で活躍する選手がたくさん出てくるのが楽しみでなりません。
と、ちと熱くなってしまいましたが、これからが非常に楽しみなBMX!今から始めるなら知っておきたい5つのこと、を、お送りしました。
2017年6月9日深夜、IOCが正式に「BMXフリースタイル パーク」をオリンピック正式種目として採用し、プレスリリースを発表しました。合わせてJCFの橋下会長もコメントを出し、業界はバタバタと動き出しました。
このポストでは BMX ストリート / スケートパーク という表現で競技を説明していますが、IOC、UCI、JCF統一の呼称は 「BMXフリースタイル パーク」となっています。
これは既にオリンピック競技である BMXレース との区別をする為とは思いますが、厳密には、先述のストリートや、ダート、フラットランドなど今後余地のある競技との住み分けの意図も感じています。
何れにせよ、本格的にBMXという競技の認知度が上がる一方、インフラはまだまだ整っていません。このポストがそれまでの架け橋にでもなれば幸いです。
岐阜県は上石津に行って来ました。
なかなかの田舎に何しに行ったかと言えば、 Toshio Takagi がこしらえた “レジージャンプ” なるものを体験しに。
要は、ジャンプ台にスポンジを敷き、その上に適度な強度のマットを被せたクッション性の高いセクション、です。
BMXという競技で正に基本とも言えるランプでのジャンプ。初心者からベテランまで色んな技にトライするのですが、技の難易度と比例して怪我のリスクが上がります。
骨折、脱臼、脳震盪、靭帯の損傷、僕も過去に色々やらかして来ましたが、それらをなるべく回避してチャレンジ出来るとあって注目度は高いです。
ただ何せセクションを作るのに費用が凄く掛かる。スポンジもバカにならないですし、あのマットも1枚もので無ければ意味がない。それを2枚重ねしてて、たぶん総工費100万以上はくだらない。トシオの情熱に脱帽です。
実際に乗ってみて、、確かにコケても衝撃がかなり軽減されます。普通のランプでコケて転がったのが10だとすれば、レジーなら2くらい。自転車に絡むクラッシュは仕方ないですが、ある程度はパッドなどで回避できるはず。
先入観で最初は怖いですが、どうやら上手なコケ方みたいなものがあるみたいで、最後の方は割と何も考えず突っ込んでトライ出来ました。
ちゃんとメイクしてランディングした時の感覚も慣れれば違和感なく、適切に路面はグリップするし、このマットの素材がナカナカ凄いようです。
で、このセクション1番の恩恵は、何と言っても普通のジャンプでの衝撃自体が凄く少ないこと。あまりに楽しいので何回も何回もトライしてたんですが、身体への負担が非常に少なく、気付けば汗だくで次の技にトライしてました。
大きい怪我だけでなく、慢性的な疲労は集中力を欠く原因になりますし、この点が1番画期的に感じました。
関西から2時間。またみんなで集まって遠征したい場所が増えました。
< 大垣市かみいしづ緑の村公園 >
http://www.ogaki-tv.ne.jp/~midorinomura/
土日で BMX と CX 両方を楽しめる、なんたるリア充感と裏腹に、バッキバキの身体にムチを打ちながらラップトップの前へ何とか辿り着く感じ。両競技も、練習と本番で身体に掛かる負荷の違いに酷い落差があるようです。
photo : bob_woods
さて、土曜日はアナウンスしていた通り “POW!WOW! x GOODSKATES” のイベントで神戸は “g” skatespark へ。大会の切り盛りとは言え、主催とは程遠いので終始リラックスムード。
MCのダーティー宣う「インターネットでの事前エントリーを勝ち抜いた先鋭たち」によるBMXトーナメントは、第一ヒートが既に準決勝という超ハイレベルな展開(すごい濁し方ですね、、、おそろしや)
photo : bob_woods
photo : bob_woods
photo : bob_woods
Jykk Japanさんや、Rampageさんのライダーが揃い、崎山兄弟、中村リムが素晴らしいライディングを披露。対して、大会に向けて “g” で修行を積んできたローカルが、らしいルーティーンを展開する良い流れ。特に3位入賞の セイマ のラインは群を抜いていたと思います。両サイドのアーリーウープエアーから、トリックの選択も良い。
photo : bob_woods
僕はと言えば、みんなのエントリーにテンション上がってコソっと最終グループで参加。怪我で乗れてなかった割に狙っていた技はサクサクメイク出来たので満足。柵へのフファニューが一発で出来たのは本当満足。
photo : 3104SaijoPhotography
photo : bob_woods
優勝のリムへは、記念のトロフィーヘルメットが贈呈されました。Z.E.N DISTRIBUTION さんから提供いただいた PRO-TECのヘルメットに、POWWOWアーティストの JEFFREY GRESS がペイント。何とも豪華な仕上がりになりました。
で、日曜日は関西シクロクロス 第1戦、りんくう。
東海 → 茨城 に続く3レース目。顔なじみも沢山お見受けして和む。コースは凸凹が激しく、綺麗にいなしてパワーを掛けるのが勘所っぽい。または後半のコーナリングと、直線は頑張って踏み込むので、結果的に心拍よりペダリングの筋力&体幹が必要なレースでした。
photo : hidetoshi matsuoka
どう考えてもコース後半抜きどころが無いので、序盤にぶっ飛ばして前へ。スタート職人 662ボスが更に前へ出たので、安心して後ろについて更に踏み込む。こういう時、慣れた人が同じ意思で前に出ていると不安なくスプリント出来るのです。
photo : Shoten Kyauchan
なんだかんだ気付いたら結構前に出ていて、目の前にPeaksのジャージ着た人が・・・あれ?この人ゼッケン1桁だぞ・・・。どうやらやり過ぎて思いっきり前へ飛び出したようで自分、凄い位置で走っている。8番手とか。とりあえず後ろビタ付けで走ってみる。直線は死ぬほど辛いけど、コーナーや砂場の処理はこちらの方が上手っぽい。2周ほど付いていたらパックになってきた。
photo : hidetoshi matsuoka
思った以上に順位をキープしたまま走ってる為か、周りの応援の声が驚きに変わってくる。「おおお!凄い順位!!!」今シーズン目標にしている2つ、25%以上ゴールと打倒スク水が見えてきている。初戦でイケるかも?
欲が出てきた辺りで、コーナーのラインミスしてアウトにぶっ飛ぶ。何とかコケずに耐えたものの、着地でタイヤに負荷かけすぎて「プシャー」っとシーラント漏れ。タイヤはチューブレスを保っているけど、明らかに圧が低い、1.0bar以下。
ブニブニ過ぎて進まないし、ハンドルぶれるし凄い。コーナーも低圧だとトラクション掛かるはずが、ここまで来ると流石にグリップしません。何でも適正数値があるように思ったのでした。
その後、後続のパックが近づいてきて、焦りからかキャンバーで更にタイヤに負荷掛けてエアリーク。そのままビードが落ちて転倒終了。-2LapでDNF。
もったい無いけど、タイヤの限度をハッキリ知ることが出来たので超満足。手のひらにシーラント抜けた時に掛けたパワーの感覚がきっちり残っていて、この荷重はダメなんだな、と理解が深まりました。僕のシクロクロスレースはトライ&エラーの繰り返しなので、こういう経験が一番尊いのです。
どう考えても先シーズンより走れるようになっているし、臆することは何もないよう。次の日吉はC3で独走出来た思い出の場所、頑張って走りきりたいと思います。
大会名: 関西シクロクロス #1 りんくう
開催日: 2016年10月23日
開催場所:大阪府泉佐野市 りんくう公園
気温: 18℃
リザルト: C-1 / -2Lap / DNF
路面状況:ドライ、凹凸多
使用機材:All-City Cycles “Natureboy853”( http://allcitycycles.com )
ギア比: 38 x 19 = 2.0
タイヤ: Panaracer “REGACROSS” 700x33c Tubeless / F 1.6bar R 1.6bar
リム: H PLUS SON “THE HYDRA” 28H ( http://hplusson.com )
心拍数: Avg 174bpm / Max 185bpm
今週末は “Powwow × Goodskates” で BMXイベントやります。数年前に開催したSoul Bowl Battleと同じく、ボールでのジャムセッションを予定しています。
今回のBMXイベントに関して、”g” skatepark の安床くんから話をいただいたのが数ヶ月前。「海外のアーティスト集団と一緒にイベントを開催するよ!」トップアスリートの枠にとどまらない彼ならではの繋がりに、概要が見えないその時点でも大きな期待を寄せたのでした。
とは言え、そのアーティスト集団 “PowWow” とは何ぞや・・・。グラフィティの文化に疎い僕なので、関連する人名を聞いてもよく分からないでいたのですが「パウワウとイベントやるよー」と仲間に声掛けしていく中で知ってる人が多数あって、実態が随分と見えてきました。
ハワイを拠点に活動する彼らですが、定期的に世界のどこかの街を舞台にイベントを開催している模様。舞台となった街のいたる所へアーティストを派遣し、外壁をグラフィックで彩るというもの。
その、今回の舞台が神戸は六甲アイランド。約1週間ほど掛けて街がアートで彩られていき、そのフィナーレイベントが “g” skateparkで開催されるといったもの。
既に神戸のローカルでもアンテナ高い仲間が六甲アイランドに出向いて、途中経過をポストしています。
@_cab_ ライブペイント‼️ #六甲アイランド #powwowjapan #livepaint #cab #art #powwowjapan2016 #powwowworldwide
Yuzo Hayashiさん(@bob_woods)が投稿した写真 –
疎い僕でもHITOTZUKIは知ってるし、これは現物見るの楽しみ。
イベントのエントリーはまだ受け付け中。こちらからどうぞ!
http://vh-lg.com/?page_id=2345
イベントの詳細はFBページでチェック出来ます。
https://www.facebook.com/events/538610046337728/
それでは六甲アイランド、 “g” skatepark でお会いしましょう!
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“POWWOW × GOODSKATES”
開催日:10月22日(土) OPEN / START 11:00 AM
開催地:兵庫県神戸市 ”g” skatepark
イベント入場料 : 1500円
大会エントリー:3000円(入場料込)
優勝者にはPOWWOWアーティストによるヘルメットトロフィーが授与!
事前エントリー:http://vh-lg.com/?page_id=2345
(当日エントリーはありません)
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The Radavist という人気自転車カルトサイトで、毎日新しい(そして美しい)バイクが紹介されてて、その中で目に止まった一台。
グラベルグラインダーっぽいというテンプレートはあるものの、特に目新しいパーツもない、All-CityのMachoKing。吊るしフレームを手描きでペイントしただけ。何故「だけ」かと言うと、複雑な塗り分けやデカールが用意されている訳でもなく、単色で筆を走らせただけ、だから。
しかしこの一台には、カスタムバイクの真意が隠れていると思うのです。
近年はNAHBSなどの情報も、アンテナ高い人たちが現地の情報を(それも日本語で)随時発信していたり、買う買わない別にいわゆる「バッキバキ」のフレームが身近になっています。いやぁ、どれもカッコイイ。しかしそこまで辿り着くと、もうこのカスタムバイクが誰のものなのか分からない。
カスタムバイクとは誰のものか。それは紛れもなく僕らユーザーのカスタムであり、ユーザーのイメージを具現化する為のモノ。ひとつの手段として誰かに頼むのも良いのだけれども、基本的には今持っている自転車を、より自分らしく、自分の手でやってみたいというのが基本じゃないのかと。
キャブレター分かってないとインジェクション触れない、みたいなもので、ここら辺がおろそかになるとカッコイイカスタムバイクは作れないと思うのです。
僕の自転車偏愛はもう彼此20年近く前に遡るのですが、当時BMXと言えば全部が全部ダウンチューブど真ん中にシンメトリーでブランド名のロゴ。これは絶対だったんですね。それを仲間の一人がトップチューブ側に張り替えた・・・だけ。ただそれだけだったんですが、本当にカッコよろしかった。確かSTANDARD BYKE COMPANYのLENGTHYだったんですが、僕もすぐデカール探して真似したし、、、懐かしいな。
ステッカーはカスタムの基礎基本。その後、アシンメトリーだったり、ダウンチューブと違った場所にステッカー貼るのが流行りましたね。
CannondaleのBadBoyも、マットブラックのボディにCodaのシンプルな油圧ディスク。ロゴまでマットブラックというイキきったメーカーの姿勢に憧れて、その後3〜4本くらいはわざわざマットブラックにして乗っていたくらい。今のSLATEには明らかその流れを感じるし、源流はいつまで経っても廃れない。
※ あとで画像を探して気づいたけど、Codaが使われていたのは確かサンプルモデルで、実際のモデルは廉価版だった気も。しかしBadBoyは年々シルエットがカッコよくなってる。
今のBMXには、DIYでYETIのカラーリングをあしらっていまして。どうせやるならということで、Sliding Yeti Man=雪男のステッカーもBMXブランドに合わせて作り変えてます。
今回の話の元ネタは、吊るしフレームに手描きペイントカスタム。それも黒に黄色のペイントなんて古ぼけた、使い古された感たっぷりですが、どこか懐かしい。
何せカスタムバイク、というのは自分のイメージが具現化されるまでのディティールが大事で、今時の最先端ビスポークも目の保養に良いですが、元ネタやルーツを探る旅もたまには良いと思うのです。
Do It Yourself!
やや旧聞となりますが、大阪は堺市大泉で開催された “Oizumi Pump Track Fighters” というイベントに行ってきました。
そもそも大泉緑地は古くからBMXレースコースを有していて、今年は全日本選手権もここで7月に開催されます。パンプトラックが設置されたスケートパークも、随分昔から有志が手作りでランプを設営し、市との協議も経て常設のパークとして現存しています。
イベントは朝早くから試走で沢山のライダーが並び、BMX、MTB、ランバイク、ピストまでセクションを楽しんでいました。後半は1on1でトーナメント。決勝は、共にCREDIT RACINGの吉村 樹希敢が増田優一を下して勝利。3位は個人的に期待を寄せていた浦上太郎。
パンプトラック、というと土、または人工的な素材で作られたコブで構成されるセクションのこと。自転車ではあってもペダルを漕がずにブランコを漕ぐような要領で車体を前に進める競技なのです。僕らにとっては非常に基礎的な動きですが、ダートジャンプと比べると宙に浮くことがあまり無いので初心者でも安全に縦の動きを体験出来るのです。
あるいは玄人にとっても、いかに無駄なく自転車を前に進めることが出来るのか、実力がハッキリするコロッセオ。そんな奥深いトラックでバトルは開催されたのです。
https://www.instagram.com/p/BEARTCpu6Om/
特筆すべきは、この企画の趣旨。このパンプトラックをボーダレスに楽しんで貰おうということで、あらかじめ設定されたクラスも、BMXだったりMTBだったりごちゃ混ぜ。ランバイクのカテゴリーも用意されていました。そして日が近くなるごとに紹介される招待選手も、BMXレース、ダートジャンプ、パーク、ストリート、MTB DHなど。異種格闘技戦を楽しもう、というニュアンスを理解する為の準備がなされていました。
BMXとシクロクロスに跨ってみて、様々なジャンルの人たちがコミュニケーションを取るこういう企画がとても大好きになっていて、ぜひ次回も参加したいと思うのです。
[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=W_AnAHjVSpY[/youtube]
映像の撮影編集は、同じMXチームメイトのTaka。僕も少し登場しています。
MongooseライダーのGreg Illingworthの映像が公開されていますね。着目すべきは以前、彼らがこっそり来日していた時のキャプチャーが含まれているところ。僕らが実際にライディングしたことのある場所を、プロが駆け抜ける。それだけでテンションがあがるものです。
もう一点。20インチ と 700C / 業界半魚人的な僕の目線で伝えるならば、この映像の裏側で少し面白い出来事を見ていました。
https://www.instagram.com/p/BALImnyHutJ/
George Marshall という人が、今回の映像の側で写真を撮影しているようです。
https://www.instagram.com/p/3BRjlZnumE/
https://www.instagram.com/p/26XCCvHugJ/
この2枚を撮ったフォトグラファー、ということだけで大体の説明が完了してしまいそうです。
Sir Bradley Wiggins と Bas Keep。ロード的にも、BMX的にも、かなり歴史に残る写真を抑えています。
https://www.instagram.com/p/8Rk_rPLueT/
映像に登場する日本のシーンは 山形の寒河江 と 北海道のDeath Bowl。昨年の夏くらいに来日していたようで、ぼんやり動きを追いかけていたら、前半は映像のGreg IllingworthとKevin Kalkoffを追って #japandeathbowl というツアーを撮影していたようで、後半は Rapha の撮影でCCTYOをベースにライドをしていたようです。
https://www.instagram.com/p/-Wla5vnuta/?taken-by=georgemarshallphoto
Raphaでの撮影もストーリーを添えて既に公開されています。
http://pages.rapha.cc/ja/stories-ja/escaping-the-city
僕も、遠征へBMXとロードの両方を持って行くこともあるのですが、仕事として両方を楽しむこの感じが側から見ていて羨ましかったり、憧れてみたりするのです。
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